下館和巳のイギリス日記




Vol.21   2003.9.1

       階級のこと

 イギリスに住んでいると、この国はやはり階級の社会だなあ、と思う。この10年の間に、中流階級層 の幅が拡がったとは言われるが、それでも、やはり階級が歴然とある。外国人は番外であるだから、どう でもよいことだが。いわゆるworking class(この英語を労働者階級と訳すのは間違だと近頃 思うのだが)の人達はあまり僕達外国人に興味がない。しかし、概して陽気である。

 上流階級のことは残念ながらよくわからないが、ケンブリッジ大学の晩餐会で何人かのSirの称号を持った 紳士と同席したことはある。何となく人を食ったような風で無愛想なのだが、臆せずに話し続けると、彼 らは案外?深い。

 鼻持ちならない感じが強いのはアッパーミドルじゃないだろうか。上流階級ではないんだが、そう思い込 んでいるいやーな感じがあるが、自分は馬鹿にされているかもしれないなぞと考えることなく付き合って いると、芝居でも見ているようで、味わいがある。そして、本当の貴族じゃない人達のほうが、実に僕達 が想像するところの貴族的雰囲気を醸しえている、というところが面白いのである。